公務員試験 数的推理 ── 完全攻略ガイド

数的推理が難しいのは当然。
でも、7割は同じパターンの繰り返しです。

数的推理は「数学のセンス」ではなく「パターンの暗記」で攻略する科目です。全部できる必要はありません。頻出パターンに絞って対策すれば、文系でも確実に得点源にできます。

数的推理とは何か ── 判断推理・SPI・玉手箱との違い

数的推理は、公務員試験の教養科目に出題される「数的処理」の一分野です。速さ、確率、割合、整数の性質など、算数・数学の文章題が中心。判断推理が「論理パズル」なのに対し、数的推理は「計算を伴う文章題」です。

「数学が苦手だから無理」と思うかもしれませんが、安心してください。必要なのは高校数学ではなく、中学数学+αの計算力解法パターンの知識だけです。大学受験のような複雑な数学は一切出ません。

判断推理・SPI・玉手箱との違い

項目 数的推理
(公務員)
判断推理
(公務員)
SPI
(非言語)
玉手箱
(計数)
本質 数学の文章題 論理パズル 基礎計算+推論 表の読み取り+計算
計算 必須 ほぼ不要 必要 必要
難易度 高い 中程度 易しい 中程度
範囲の重なり ほぼ別物 一部重複 一部重複

💡 SPI・玉手箱との関係

公務員試験の数的推理を対策していれば、SPIの非言語や玉手箱の計数は余裕で解けます。逆は成り立ちません。SPIは基礎レベルの問題が中心ですが、公務員試験の数的推理はそれよりも条件が複雑で、解法パターンの種類も多いからです。民間就活と公務員試験を併願する方は、数的推理の対策を軸にすればSPI対策を兼ねられるメリットがあります。

試験別の数的推理の出題数

試験 教養
全体
数的処理
合計
うち
数的推理
うち
判断推理
国家一般職 30 14 4 7
国家総合職 30 13 3 7
地方上級(全国型) 50 17 7 9
特別区Ⅰ類 48 19 7 8
警察官・消防官 40〜50 12〜16 4〜7 5〜8

国家系では判断推理よりやや少ない出題数ですが、地方上級・特別区では7問と多く、決して無視できない配点です。判断推理と合わせて数的処理全体で安定した得点を確保するには、数的推理でも最低限の得点力が必要です。

なぜ数的推理は「難しい」と感じるのか

「数的推理 難しい」は受験生の間で最も検索されるキーワードの一つです。参考書を買ったのに挫折した、解説を読んでも理解できない——そう感じるのは、あなただけではありません。数的推理が「難しい」と感じる原因は、大きく3つに分類できます。

1

数学の基礎が抜けている

数的推理に高校数学は不要ですが、中学数学の基礎は必要です。具体的には、一次方程式・連立方程式の解き方、比と割合の計算、速さ=距離÷時間の関係、確率の基本(場合の数)などです。これらが曖昧なまま参考書に取り組むと、解説の前提がわからず挫折します。

→ 対処法:中学数学を丸ごとやり直す必要はありません。数的推理の参考書で「わからない」と感じた箇所だけ、中学の教科書やYouTubeで復習すればOKです。

2

「解法パターン」を知らずに力技で解こうとしている

数的推理の問題は、一見すると毎回違う問題に見えますが、実は同じ「型」の使い回しです。「仕事算は全体を1と置く」「食塩水はてんびん法」「旅人算は相対速度」——これらの型を知っていれば、問題を見た瞬間に解法が決まります。型を知らずに毎回ゼロから考えるのは、知識のない状態でパズルに挑むのと同じです。

→ 対処法:「頭が良くなる」のではなく「パターンを覚える」と割り切る。この意識転換が最大のブレイクスルーです。

3

参考書のレベルが合っていない

「ワニ本(畑中敦子)が難しい」「スー過去が解けない」という声は非常に多いです。これは教材の質が悪いのではなく、今の自分のレベルに合っていないだけです。ワニ本は初級〜中級向け、スー過去は中級〜上級向け。数学が苦手な方がいきなりこれらに手を出すと、解説を読んでも理解できず挫折します。

→ 対処法:超初心者は「解法の玉手箱」から始める。ワニ本が「難しい」と感じたら、無理せずレベルを一段下げましょう。

💡 数的推理は「全問正解」を目指す科目ではない

数的推理で満点を取る必要はありません。地方上級(7問出題)なら4〜5問取れれば十分合格圏内。国家一般職(4問出題)なら2〜3問でOK。頻出パターンを確実に得点し、難問は本番で捨てる——この戦略で臨めば、「難しい」というプレッシャーはかなり軽くなります。

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出題パターン一覧と頻出度 重要

数的推理のパターンは判断推理より数が多いですが、全部やる必要はありません。頻出度の高いパターンから優先的に対策し、出題頻度の低いパターンは余裕があれば手をつける、という戦略が正解です。

最優先:毎年出る(ほぼ確実に出題されるパターン)

パターン 頻出度 必要な数学 攻略のカギ
確率 最頻出 場合の数(P・C) 場合の数を正確に数えることが全て。余事象の活用が時短のカギ
場合の数(順列・組合せ) 最頻出 P・Cの公式 「並べる」=順列P、「選ぶ」=組合せC。区別がつけば半分解けたようなもの
速さ・旅人算 最頻出 速さ=距離÷時間 追いつき=速さの差、出会い=速さの和。図を描いて立式する
整数の性質(約数・倍数) 最頻出 GCD・LCM、余りの定理 「割った余り」の問題が頻出。選択肢を代入して検証する手もある
比と割合 最頻出 比の計算、割合 多くの問題の基礎。比を揃えて統一する技術が必要
仕事算 最頻出 分数の計算 「全体の仕事量を1と置く」。これだけで解法が統一できる

優先:2〜3年に1回は出る

パターン 頻出度 必要な数学 攻略のカギ
濃度(食塩水) よく出る 割合、方程式 てんびん法を覚えれば一撃。方程式より圧倒的に速い
売買損益(利益算) よく出る 割合 原価→定価→売値→利益の流れを理解すれば定型問題
方程式の文章題 よく出る 連立方程式 未知数を置いて立式。「何をxにするか」の選び方が重要
通過算 出る 速さの公式 電車の長さを距離に加算する。図を描けば間違えない
年齢算 出る 方程式 「年齢差は不変」がすべて。現在と過去/未来の表を書く
平均算 出る 四則演算 平均→合計に戻す(平均×個数=合計)。これだけで解ける

⚠ 「全パターンを完璧に」は最悪の戦略

数的推理は判断推理よりパターン数が多いため、全てを完璧にしようとすると時間が足りません。最頻出の6パターン(確率・場合の数・速さ・整数・比と割合・仕事算)を最優先で固め、残りは試験までの時間に応じて取捨選択してください。

数的処理の泉 数的処理の泉

「全部やらなくていい」取捨選択の戦略

数的推理は「全問正解」を目指す科目ではありません。試験種と残り時間に応じて、対策するパターンを絞り込むのが合格への近道です。

⏰ 残り半年以上ある人

やるべき:最頻出6パターン+優先6パターン+図形の計量

余裕があれば:数列、N進法、ニュートン算

後回しOK:流水算、時計算、覆面算

⏰ 残り3ヶ月以内の人

集中すべき:確率・場合の数・速さ・仕事算・整数・比と割合の6パターン

余裕があれば:濃度、方程式、売買損益

思い切って捨てる:図形、数列、N進法、ニュートン算、流水算

💡 数的推理は「捨てていい」が「全捨てはダメ」

「数的推理は捨てていいですか?」という質問をよく見かけます。結論は、一部のパターンを捨てるのは正しい戦略だが、数的推理を丸ごと捨てるのは危険です。特に地方上級・特別区では7問出題されるため、全捨てすると教養試験全体の14%を自動的に失います。最低でも最頻出6パターンは対策し、4問中2〜3問、7問中4〜5問を確保してください。

数的推理に必要な数学は「中学レベル」だけ

「数学をゼロからやり直さないとダメ?」——その必要はありません。数的推理に必要な数学の知識は、パターンごとに決まっています。高校数学の難しい公式は一切不要。中学で習った基礎だけ押さえれば、あとはパターンの知識で解けます。

パターン 最低限必要な数学知識 レベル
確率・場合の数 順列(P)と組合せ(C)の公式、樹形図の書き方 中学+α
速さ・旅人算 速さ=距離÷時間、単位変換(km/h→m/min等) 中学
整数の性質 約数・倍数、最大公約数(GCD)・最小公倍数(LCM)、余りの計算 中学
比と割合 比の計算、百分率(%)、「AはBの何倍」の立式 小〜中学
仕事算 分数の四則演算 小〜中学
濃度(食塩水) 濃度(%)=食塩÷食塩水×100。てんびん法は公式不要 中学
方程式の文章題 一次方程式、連立方程式の解き方 中学
図形の計量 三平方の定理、相似比と面積比、円の面積・弧の長さ 中学+α

⚡ 「中学数学の復習」に時間をかけすぎない

中学数学の参考書を1冊通してからやり直そうとする人がいますが、これは非効率です。数的推理の参考書を進めながら、「わからない」と感じた箇所だけピンポイントで復習するのが最短ルートです。たとえば「連立方程式が解けない」と気づいたら、その部分だけYouTubeや中学の教科書で確認する。必要な数学は数的推理の学習の中で自然と身につきます。

最短で伸びる数的推理の勉強法

数的推理の勉強法は、判断推理と基本は同じ「パターンの暗記→反復演習」です。ただし、数的推理には計算が伴うため、「解法を知っている」だけでなく「速く正確に計算できる」レベルまで仕上げる必要があります。

1

導入期:解法パターンの「型」を覚える(2〜4週間)

参考書を読みながら、各パターンの「解き方の手順」を理解します。この段階では自力で解けなくてOK。解説を読んで「こういう型があるのか」と理解することが目的です。1パターンにつき2〜3問の例題を解説とともに読み進めましょう。

おすすめ教材:数学に自信がない方は『解法の玉手箱』→『ワニ本(畑中敦子の数的推理の大革命!)』の順がおすすめ。数学に抵抗がなければワニ本から。

2

練磨期:自力で解く+計算スピードを上げる(1〜2ヶ月)

同じパターンの問題を3〜5問連続で、解説を見ずに自力で解きます。5分考えて手が止まったら解説を見るというルールで進めてください。このとき重要なのは、「解法の選択」と「計算」を分けて意識すること。解法は合っているのに計算ミスで不正解になるケースが非常に多いです。

おすすめ教材:ワニ本を2〜3周。量が足りなければ『クイックマスター(クイマス)』で追加演習。

3

実戦期:制限時間つき演習+本番の捨て問判断(直前期まで)

本番では1問3〜4分が目安。タイマーを設定して「4分で解けなければ次へ」というルールで演習します。この段階で「自分が確実に解けるパターン」と「本番で捨てるパターン」を明確にしてください。スキマ時間にスマホで1問ずつ解くのも非常に効果的です。

おすすめ教材:『スーパー過去問ゼミ(スー過去)』で本番レベルに挑戦。直前期は『過去問ダイレクトナビ』で解法の最終確認。

💡 「選択肢を使う」テクニックを忘れずに

数的推理は5肢択一です。正攻法で解くのが基本ですが、選択肢を問題文に代入して検証する「逆算法」が使えるケースも多いです。特に整数問題や方程式の文章題では、選択肢を1つずつ代入して条件に合うか確かめるほうが速い場合があります。本番で時間が足りないときの最終手段として覚えておいてください。

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数的推理のおすすめ参考書・問題集

数的推理の教材選びで最も重要なのは、「今の自分のレベルに合っているか」です。ワニ本やスー過去が「難しい」と感じるのは、教材が悪いのではなくレベルが合っていないだけ。自分の出発点に合った教材から始めましょう。

教材名 レベル 役割 特徴
解法の玉手箱
実務教育出版
超初心者 導入 算数レベルから解説。数学が絶望的な人の救済書。
畑中敦子の数的推理の大革命!
(ワニ本)エクシア出版
初級〜中級 導入+演習 最も売れている数的推理の参考書。図解がわかりやすく基礎を固める定番。
ベストNEOシリーズ
畑中敦子 / エクシア
中級 演習 ワニ本の上位版。標準〜応用レベルで実戦力を強化。
クイックマスター(クイマス)
東京リーガルマインド
中級 演習 問題数が多くパターン別に整理。量をこなしたい人向け。
スーパー過去問ゼミ(スー過去)
実務教育出版
中級〜上級 実戦 過去問ベースの定番。本番レベルの演習に最適。合格者のバイブル。
初級ザ・ベスト
畑中敦子 / エクシア
高卒程度 導入 高卒程度・初級試験受験者向け。基礎の基礎からカバー。

💡 迷ったらこのルートで

数学が苦手:解法の玉手箱 → ワニ本 → スー過去
数学に抵抗なし:ワニ本(2〜3周)→ スー過去
高卒程度試験:初級ザ・ベスト → ワニ本
参考書選びの詳細はこちらの記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

まとめ:数的推理は「難しい」が「攻略法はある」

この記事のポイント

数的推理は「数学のセンス」ではなく「パターンの暗記」で攻略する科目。

必要な数学は中学レベルだけ。高校数学は不要。

最頻出6パターン(確率・場合の数・速さ・整数・比と割合・仕事算)で出題の7割をカバー。

全問正解を目指さない。試験種と残り時間に応じた取捨選択が合格のカギ。

「ワニ本が難しい」なら無理せずレベルを下げる。解法の玉手箱→ワニ本→スー過去が安全ルート。

公務員試験の数的推理を対策すれば、SPI・玉手箱の対策も兼ねられる。

数的推理は確かに難しい科目です。でも、「全部できる必要はない」と知るだけで、気持ちはぐっと楽になるはずです。まずは最頻出6パターンの型を覚え、参考書の例題を3周する。それだけで「1問も解けない」状態から「半分は取れる」状態に変わります。完璧を目指すより、まず動き出してください。

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職種別の面接対策

県庁に首席で入庁した実績者が、
サービスを開発しました。

サービス開発者:

青島 一平

AOSHIMA Ippei

AI公務員予備校 運営代表

県庁に首席入庁

入庁式にて、約400人の新入職員を代表して辞令を受領(以下の新聞記事参照)。
試験結果と資質を評価され、当時の中枢部署(知事直轄組織)に配属されました。

首席入庁時の新聞記事リンク ➡

経歴
1

働きながら博士号を取得(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

経歴
2

退職後、大手スキルシェアサイトで多くの受験生を支援

経歴
3

AIの活用で「面接対応力」を養ってほしいとの想いでサービス開発

経歴
4

県庁に首席で入庁した実績者が、
サービスを開発しました。

県庁に首席
入庁した実績者が、
サービスを開発。

サービス開発者:

青島 一平

AOSHIMA Ippei

AI公務員予備校

運営代表

県庁に首席入庁

当時の中枢部署(知事直轄組織)などで5年勤務

首席入庁時の

新聞記事

リンク ➡

経歴
1

働きながら博士号を取得
(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

経歴
2

退職後、大手スキルシェアサイト多くの受験生を支援

経歴
3

AIの活用で「面接対応力」を養ってほしいとの想いでサービス開発

経歴
4