面接頻出質問の完全対策
「なぜ県ではなく市?」
面接官を納得させる回答の作り方
「住民に近いから」だけでは落とされます。面接官が本当に見ているのは県と市の違いを"自分の言葉"で語れるか。質問の意図、回答の型、状況別の例文、NG回答まで、この1ページで完全対策できます。
面接官がこの質問で見ているポイント
「なぜ県ではなく市なのですか?」「なぜ市ではなく県を志望するのですか?」——この質問は、単に志望動機を聞いているわけではありません。面接官には、ここであなたの3つの資質を見極めたいという明確な意図があります。
① 組織理解の正確さ
県と市では法律上の権限も、日々の業務も大きく違います。その違いを「自分の言葉」で説明できるかを確認しています。入庁後に「想像と違った」とならないかの見極めです。
② 定着の覚悟
自治体にとって若手の早期退職は大きな損失です。「滑り止めで受けたのでは?」「すぐ転職しないか?」という不安を、あなたの回答で払拭できるかを見ています。
③ 論理的な思考力
「やりたいこと」と「その組織でできること」を客観的に照合できているか。自分の希望を、組織の機能に論理的に結びつけて説明する力を評価しています。
💡 ここが最重要
面接官は「県と市の違いの知識」を聞きたいのではありません。「その違いが、あなたにとってなぜ重要なのか」を聞きたいのです。教科書的な解説を暗唱するのではなく、あなた自身の経験や価値観と結びつけて語ることが合格への鍵です。
県と市の「実質的な違い」を整理する
回答を作る前に、まず県庁と市役所の業務の違いを正確に押さえましょう。ここがぼんやりしていると、面接で「結局どっちでもいいんでしょ?」と見透かされます。
| 比較項目 | 都道府県庁 | 市役所(一般市) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 市町村を跨ぐ広域的な課題への対応、国と市町村の橋渡し | 住民の生活に直結するサービスの提供 |
| 住民との距離 | 間接的(市町村を通じた調整が多い) | 直接的(窓口や相談を通じて日常的に接する) |
| 業務の具体例 | 県道の建設、産業誘致、防災の広域計画、高校・特別支援学校の運営、児童相談所の設置 | 住民登録、介護保険、保育所運営、ゴミ処理、上下水道の維持、地域イベントの運営 |
| 仕事のスケール | 県全体に影響する制度設計や調整 | 一つの地域に深く入り込む現場対応 |
| 求められる資質 | 俯瞰的な視点、利害調整力、制度設計の構想力 | 住民への共感力、現場対応力、きめ細かなサービス精神 |
| 異動範囲 | 県内全域(出先機関含む) | 市内(地理的に限定的) |
📊 政令指定都市は「ハイブリッド」
政令指定都市(横浜市、大阪市、名古屋市など)は、県から多くの権限(児童相談所の設置、国道の管理、都市計画の策定など)を移譲されています。つまり「住民に近い市の仕事」と「県レベルの政策立案」の両方ができる組織です。政令市を受験する場合は、この二面性を踏まえた回答を準備しましょう。
⚠ よくある勘違い
「市役所=窓口業務ばかり」ではない。 実際には企画、財政、建設、産業振興など多様な部署があり、事務処理や関係機関との調整、法令解釈といった業務が大半を占めます。「窓口で住民の笑顔を見たい」だけでは実務理解が浅いと見なされます。
「県庁=住民と関われない」も誤り。 出先機関(保健所や土木事務所など)に配属されれば住民対応も発生します。県の仕事を「デスクワークだけ」と捉えるのは認識不足です。
回答の構成テンプレート(型)
面接の回答は「何を話すか」だけでなく「どんな順番で話すか」が重要です。以下の4ステップに沿って構成すれば、論理的で説得力のある回答が完成します。
✅ 回答の4ステップ
結論(県/市を選ぶ理由を一言で)
「私は〇〇という理由から、市役所(県庁)で働きたいと考えています」と結論から入る。
原体験(なぜそう思ったのか)
自分がその考えに至った具体的なエピソードを述べる。ボランティア、インターンシップ、日常の経験など。
県と市の違いの理解(なぜ「こちら」なのか)
県と市の役割の違いを踏まえ、自分のやりたいことが「なぜ県(市)でなければ実現できないか」を説明する。ここが最も重要。
貢献ビジョン(入庁後にどう活かすか)
志望先の具体的な施策や部署に触れつつ、自分がどのように貢献したいかを述べて締める。
💡 回答の長さの目安
面接での口頭回答は45秒〜1分程度(250〜400字)が目安です。長すぎると要点がぼやけ、短すぎると掘り下げが足りないと判断されます。以下の例文もこの範囲に収めています。
回答例文:市役所を志望する場合
受験者の背景によって、同じ「市役所志望」でもアプローチが変わります。自分に近い例文を参考に、あなた自身のエピソードに置き換えてください。
例文1 新卒・地元の市役所を受ける場合
私は、住民一人ひとりの生活課題に直接向き合いたいという思いから、市役所を志望しています。大学時代に地域の子ども食堂でボランティアをしていた際、利用されている方から「市役所に相談して子育て支援の制度を教えてもらえた」と聞いたことがきっかけです。県庁が県全体の制度や仕組みを設計する役割を担っているのに対し、市役所はその制度を住民に届ける「最後の窓口」として、一人ひとりの事情に合わせた対応ができると考えています。御市は子育て支援に特に力を入れていらっしゃると伺っていますので、私もそうした施策の現場で、住民の方に寄り添った対応ができる職員になりたいと考えています。
例文2 社会人経験者・民間からの転職の場合
前職では不動産会社で賃貸管理を担当しておりました。入居者の方からの生活相談に対応する中で、行政の福祉制度につなぐことで状況が大きく改善するケースを何度も経験し、行政の力を実感しました。県庁は制度の枠組みを広域的に整える役割を担っていますが、私がやりたいのは、目の前の住民の困りごとを現場レベルで解決することです。前職で培った住民対応の経験を、窓口だけでなく福祉や住宅といった部署で活かしながら、御市の生活支援の質を高めることに貢献したいと考えています。
例文3 政令指定都市を受ける場合
私は、住民に近い場所で働きながら、同時にスケールの大きな政策にも関わりたいという思いから、政令指定都市である御市を志望しています。一般の市役所では住民サービスに特化している反面、広域的な都市計画や産業振興は県の管轄です。しかし御市は政令指定都市として、都市計画や児童相談所の運営など県並みの権限を持っていらっしゃいます。大学で都市政策を学ぶ中で、住民の声を直接聞きながら、それを大きな政策に反映できる御市の仕組みに強く惹かれました。住民目線と政策的な視野の両方を持った職員として貢献したいと考えています。
回答例文:県庁を志望する場合
県庁志望の回答では、「広域的」という言葉を使うだけでは不十分です。県でしかできない具体的な業務に触れ、なぜあなたが「仕組みを作る側」に回りたいのかを語りましょう。
例文1 新卒・地元の県庁を受ける場合
私は、地域全体を底上げする仕組みづくりに携わりたいという思いから、県庁を志望しています。大学時代に〇〇県内の過疎地域でフィールドワークを行った際、一つの市町村の努力だけでは解決が難しい課題(交通網の整備や医療資源の偏在)があると痛感しました。市役所はそれぞれの地域に密着した素晴らしい仕事をされていますが、市町村の枠を超えた広域的な調整や制度設計ができるのは県庁だけです。県全体の視点から、資源や情報を最適に配分する仕事に携わり、どの地域に住んでいても安心して暮らせる県づくりに貢献したいと考えています。
例文2 社会人経験者・専門性を活かす場合
前職では建設コンサルタントとして複数の自治体のインフラ計画に携わってきました。各市町村が個別に計画を立てる中で、広域的な視点が不足しているために重複投資や連携不足が生じる場面を目にしてきました。市役所は個々の住民ニーズに応える重要な仕事ですが、私は自身の専門性を活かし、市町村をまたぐ防災計画やインフラ整備を県全体の視点から最適化する仕事がしたいと考えています。個別の現場を知っているからこそ、実効性のある広域計画を作れると考え、県庁を志望しています。
NG回答例と失敗の理由
「何を言ってはいけないか」を知ることは、良い回答を作るのと同じくらい重要です。以下の3パターンは、面接官からの評価を大きく下げる代表的な失敗例です。
NG① 教科書の丸暗記パターン
「市役所は住民に一番近い基礎自治体であり、住民の暮らしに密着した行政サービスを提供できるため志望しました。」
❌ なぜダメなのか
教科書やWebサイトの文言をそのまま並べただけの回答です。面接官は「自分の頭で考えていない」「どこでも使い回せる内容」と判断します。この回答には「あなた自身の経験」が一切含まれていないことが最大の問題です。
NG② 相手を否定するパターン
「県庁は住民との接点が少なく、書類仕事ばかりで直接人の役に立てないと感じたので、市役所を選びました。」
❌ なぜダメなのか
県庁を貶めることで市役所を選んだ理由にしています。面接官は「他を否定することでしか自分の選択を正当化できない人」と見なします。加えて、県庁の仕事への理解不足も露呈しています。比較は「否定」ではなく「違いの理解」として行うのが鉄則です。
NG③ 感情論だけのパターン
「とにかく住民の方の笑顔が見たいです。人と接するのが好きなので、窓口で直接お役に立ちたいです。」
❌ なぜダメなのか
気持ちは伝わりますが、「なぜ市なのか」という問いには答えていません。「人と接したい」だけなら民間のサービス業でも実現できます。また市役所の業務には、住民対応だけでなく予算管理や法令解釈など「窓口以外の仕事」が非常に多いため、実務への理解不足と受け取られます。
深掘り質問への備え
最初の回答がうまくいっても、面接官はそこで終わりにしません。必ず深掘り質問が続きます。よく聞かれるパターンと対応方針を押さえておきましょう。
🔍 「それ、県(市)でもできますよね?」
最も多い深掘りです。「手段」ではなく「目的」のレベルで切り分けましょう。
市役所志望の場合:「おっしゃる通り、県でも住民支援は可能です。ただ私は、個々のご家庭の事情に合わせたきめ細かな対応がしたいと考えています。制度を運用する最前線で、住民の方の声を聞きながら柔軟に対応できるのは市役所ならではの強みだと考えています。」
県庁志望の場合:「市役所でも地域課題に取り組めるのは承知しています。しかし現在の地域課題は市町村の境界を超えています。個別対応を支える『仕組み』を広域的に構築し、県全体を底上げすることで、より多くの方に貢献したいと考えています。」
🔍 「県庁(市役所)も受けていますか?」
併願状況は正直に答えるのが基本です。ただし、嘘をつくよりも「志望軸の一貫性」を示すことが重要です。
対応例:「はい、〇〇市も受験しています。私は住民の方に直接関わる仕事がしたいという軸で就職活動をしており、市役所を中心に受験しています。その中でも御市は〇〇の施策に力を入れていらっしゃるため、第一志望として準備してまいりました。」
🔍 「両方受かったらどちらに来ますか?」
迷わず「御市(御県)です」と即答しましょう。ここで迷うそぶりを見せると、志望度が疑われます。即答した上で、「先ほどお話しした通り〇〇の理由から、御市(御県)で働くことが自分の目標です」と理由を添えれば完璧です。
🔍 「具体的にどんな業務に携わりたいですか?」
志望先のWebサイトの組織図と総合計画は必ず事前にチェックしてください。特定の部署名や施策名を挙げられると「ちゃんと調べている」という印象を与えられます。ただし「その部署しか興味がない」と取られないように、「配属先に関わらず、まずはどの部署でも市政(県政)の基盤を学びたいと考えています」と柔軟性も添えましょう。
回答をブラッシュアップするコツ
例文をそのまま使っても評価されません。自分だけの回答に仕上げるための5つのポイントです。
志望先のWebサイトを徹底的に読む
組織図、総合計画、市長(知事)のメッセージ、重点施策を確認し、「この自治体だからこそ」の要素を見つけてください。他の自治体にも当てはまる内容では差がつきません。
「県にはない部署・施策」を一つ見つける
市役所の組織図を見て、県庁にはない独自の課やプロジェクトを探しましょう。それを回答に盛り込むだけで具体性が段違いに上がります。県庁志望なら逆に「市にはない広域的な取り組み」を探してください。
原体験は「小さく・具体的に」
「大学のゼミで」「ボランティアで」といった大きな括りではなく、「いつ、どこで、誰と、何が起きて、何を感じたか」を一場面に絞って語ると、説得力が桁違いに上がります。
声に出して練習する(必ず)
紙の上では良い回答でも、口に出すと長すぎたり不自然だったりします。スマートフォンで録音し、1分以内に収まっているか、言い淀みがないかを確認してください。
第三者にチェックしてもらう
自分では気づかない論理の飛躍や矛盾を、他人の目で指摘してもらうのが最も効果的です。大学のキャリアセンター、予備校の模擬面接、あるいはAIチャットでのフィードバックも有効です。
よくある質問
まとめ
この記事のポイント
面接官が見ているのは「知識」ではなく「あなた自身の経験と、県/市の役割の違いがどう結びついているか」。
回答は「結論→原体験→県と市の違いの理解→貢献ビジョン」の4ステップで構成する。
「住民に近いから」「広域だから」だけでは不合格。自分の経験・価値観と接続した言葉で語る。
県庁を否定して市を選ぶのはNG。「違いの理解」として比較する。
深掘り質問(「それは県でもできるよね?」「両方受かったらどちらに来る?」)への備えも必須。
志望先の組織図と総合計画を読み込み、「その自治体だからこそ」の具体性を持たせる。
この質問は、志望動機の「深さ」を試すリトマス試験紙のようなものです。教科書的な違いを暗唱するのではなく、自分の人生で感じたこと・考えたことと、県や市の役割の違いを自分の言葉でつなげてください。それができれば、面接官は「この人は本当にうちで働きたいんだな」と確信します。
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職種別の面接対策
県庁に首席で入庁した実績者が、
サービスを開発しました。
サービス開発者:
青島 一平
AOSHIMA Ippei
AI公務員予備校 運営代表
県庁に首席入庁
入庁式にて、約400人の新入職員を代表して辞令を受領(以下の新聞記事参照)。
試験結果と資質を評価され、当時の中枢部署(知事直轄組織)に配属されました。
首席入庁時の新聞記事リンク ➡
働きながら博士号を取得(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
退職後、大手スキルシェアサイトで多くの受験生を支援
AIの活用で「面接対応力」を養ってほしいとの想いでサービス開発

県庁に首席で入庁した実績者が、
サービスを開発しました。
県庁に首席で
入庁した実績者が、
サービスを開発。
サービス開発者:
青島 一平
AOSHIMA Ippei
AI公務員予備校
運営代表

県庁に首席入庁
当時の中枢部署(知事直轄組織)などで5年勤務
首席入庁時の
新聞記事
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